無感情の第三者になれるか

今日スクールに来ていたとある生徒さんが自身の友人についての相談を先生にしていた。ネイルスクールの先生なんだけどカウンセリングとか女性の働き方についてとか色々講演やってたりするような人で、プライベートのことを相談してる生徒も多い。前のコマ取ってたその生徒さんと先生、私の3人しか教室内にいなくて盗み聞きしちゃった。というか私の授業中なのに話しとるんかい。ま、ええわ^^

 

その友人の方は女性で相談者と同い年としたらおそらく20代中盤くらいかなあといったところ。今までヨガのインストラクターをしていたけれど昔からの夢である「教師」になりたくて最近念願叶って中学校の教師になったそうな。

それで相談者のところにLINEが来て、しばらく絶句したと。

理由は「ハゲてしまってヤバイ(写真つき)」という変わり果てた友人の写真。

シャレにならないくらいはげてしまってるらしく理由を聞いたら「学校でいじめられててストレスで多分ハゲた」って。その時点ですぐに先生が「もう早く辞めた方が良いよ、何年勤めてるの?」って聞いたら「いや、まだ数ヶ月。私ももちろん辞めなって止めたけど、ずっとなりたかった職業にようやく受かったからそう簡単に辞められないって聞かない」、これは…。

同じ職場の教師に派手にいじめられているらしくて何しても若いからって色目使ってうんたらかんたら言われるんだって。今こんだけ教師同士のいじめが話題になってるんだから教育委員会とか校長に報告しな〜と先生がアドバイスしたら「それが校長にもいじめられてるらしくて」とか言ってて苦笑いした。

体がちゃんと悲鳴をあげてくれているのだからもうそこから素直に逃げた方がいい、それか教育委員会に相談できない&そのいじめに対抗できないのであれば教師という職業が向いてない。みたいなこと色々言ってて私ははえ〜〜^って聞いてた。

 

まあでも本人にも悪い部分があるでしょうね、それかアドバイスをいじめられてるって取り違えてるかみたいな話になった時にその相談者が素直にその可能性はあると思います…と普通に受け入れてて偉いなと思った。本当に思い当たる節があるかもだけど。

 

結構自分の友達から聞いた話だとその本人視点で話が形成されてて悪役は誰か、あなたは私の味方になってよっていう物語になりがちじゃないですか。

嫌な思いをしたことがあったので自分は絶対にどんな話でも話し手に依存せず一度は第三者視点で物事を見たいって思って生きてきた。どんなに思っていても無意識に私情ははいるけど。

 

 

そんなきっかけになった

ちょっと昔話を

 

 

私はなかなか歪んだ部分が多い欠陥人間であるにも関わらず周りの人間には恵まれていた。

今までどの年齢でも仲良くしてくれる友達がいた。

転勤族だったのでなんとなーーくうわべだけ仲良くできるようになってたりもした。

小学一年生から中学一年生までずっと同じクラスの女の子がいた。この子は人生で初めての親友って意識がある友達だった。(仮名Tちゃんとします。)

今では考えられないんだけど小学生低学年の頃の私はほぼ全ての子と仲良く話せるようなキッズで特定の友達とべったりというよりその場その場で誰とでも仲良くできた、らしい。かえして。

そんな中何きっかけか忘れたけどそのTちゃんと4年生頃からとにかく仲良くなった。

なんでも一緒に行動するようになった。

 

中学に入って一緒にバレー部に入った。

公立の中学校でほとんど小学校のメンバーの持ち上がりの学年95名ほど。

 

クラシックバレエもやりつつ部活もやりつつ他の習い事もこなすのが体力的に無理だった。夏の練習ではトイレで嘔吐してそのまま真っ白になって帰ったりした。ちなみにバレー部自体は練習試合ですら一度も勝ったことがないくらい超弱い。生徒不足で廃部になるってもっぱら噂だったのもあり(バレー部廃部なんてうちの学校でしか聞いたことないw)二年生になるタイミングで部活を辞める決意をした。

Tちゃんも一緒に辞めて、Tちゃんは小学校時代もやっていた吹奏楽部に入った。

なぜか小学校時代吹いていた楽器とは別の楽器を始めていたけど。

うちの吹奏楽部は小学校で最強に育てられた生徒がそのまま中学校でも吹奏楽部続けるので全国大会レベルだった。

 

中学二年生になるとクラス替えがあって、そこで初めてTちゃんとクラスが別になった。

私は1組で彼女は3組で教室も離れた。2年〜3年ではクラス替え無し。

その頃少年ジャンプ全盛期で漫画の貸し借りが流行ってた。私はREBORNとDグレは全部買っていてTちゃんに貸した。

 

なかなか返してくれなかった。

部活が別になった、クラスも離れたことで明らかに前より接する時間が短くなった。

今までなんとなくそれはどうなの?と思うことがあっても無意識に見過ごして我慢していたのが、突然耐えられなくなった。

我が家は母がめちゃくちゃきっちりしている人なのでなんでもきちんと主義だ。本人はポンコツなんだけれども。

高校受験を試験で受けたくなかった(一発勝負が怖かった)私はアマゾネスみたいな先生が教えてくれるうちの中学の生徒専門の個人塾に通っていた。

私の代は男の子が4人と自分と吹奏楽の子の女子2人で計6人。

それは恐ろしく厳しくて泣きながら通っていた。おかげで成績は全員上位だったし科目別ではトップ取ったりもしてたけどとにかく宿題の量がバカだった。

お風呂以外全て宿題にあててもなお朝4時までかかって終わらなかったことが一度だけあり、6人中私じゃ無い方の女子以外全員リタイアして行った回の塾は全員アマゾネスにバチバチにキレられて寝不足もあいまって記憶が消えた。

私は推薦狙ってたのでとにかく通知表をよくするために必死だった。

 

全クラス共通漢字50問テストがあった時にTちゃんは赤点で呼び出されていた。

「さすがにもう少し頑張った方がいいと思うよ」と私が言ったらヒビが入った。

廊下で話していたが「どうせダメだし勉強だるいし」と返された時になんだこいつって言葉には出さなかったものの明らかに嫌悪の表情をしてしまった。

今思えば勉強するかしないかなんて自由だし、落ちぶれた現在の私がその言葉受けたら「優等生ぶりが代」とか言ってるかもしれないけどその時は彼女のことを思って言ったつもりだった。

とにかく彼女のだらしない面に過敏に反応した。漫画を返せと催促してるうちに喧嘩になった。

廊下でわざわざ話さなくなった。

交換ノート(みんなやってたよね?)も止まった。

 

 

とある日から突然3組の吹奏楽部数人が私に向かってヒソヒソしだした。

 

学校の構造は階段上がってすぐにトイレとロッカーと水道、3組2組1組の順に教室がある。

廊下を通ってるだけでジロジロ見られたりとかまあそんなくらいだったから最初は気にしなかったけど反応しなかったせいでエスカレートしてきた。どうしても自分の教室に行くまでに3組の前を通る必要がある。

水道で手を洗っていたら後ろに人が待ってる気配がしたので鏡で後ろを確認した。

例の吹部の子達がいたのでさっさとどこうとしたら「鏡で自分のことみすぎじゃない?w」って鼻で笑われた。

心の底からゾッとした。これのせいで今も公共の鏡はあまり見れない。

何が一番怖かったかと言えばこのまま私が反応しなければさらに派手な嫌がらせが始まってこの数人以外にも実は私のことが嫌いだったひとが出てきて一緒にいじめにでもなったら…ってことだった。怖かった。

それでも毎日学校はめちゃめちゃ楽しかった。

静かにしていた、目立つことはさけた。

自分のクラスにもTちゃんと同じ楽器パートの子がいて、教室内では普通なのに他の場所ではなんとなく避けられている感じがした。私自身はクラスに仲良しの友達もできてしまったのでTちゃんがいなくてもよくなってしまってた。

 

絵を描いて!と言ってくれた子がいたので漫画の模写をして渡していたことがあった。普通にジャンプのページコピーとかして渡した方がよっぽどクオリティ高いのにREBORNやらBLEACHやらひたすら模写してトーンとか貼っちゃったり()なんかして渡すと「すげえー!」とかみんな嬉しい反応をしてくれていい気になってた。

その話を塾でしたら翌々日くらいに廊下で「絵を男子に配ってるらしいよ、ナルシストすぎて笑う」って言われた。笑ってしまった。もちろん現場を見てる人も渡している人もクラスには沢山いるわけだがこの話自体は塾でしかしていない。

 

確かに見方によっちゃナルシストと言われても仕方ない。

SNSのご時世で自分のイラストとか発言とか自信をもって何度も宣伝したりできる人は本当にすごいと思う。良い物だという自信がある、必要とする受け手もいるのだ。

私はそういう光景をみてもナルシストだなだんて一度も思ったことないし見落としてたものだったりすればむしろ感謝するくらいだ。無関心とも言えるけど。

私はできない、自信もない。ネタツイなら何度でも拾えるところが自信の作品に対しての自信のなさを象徴している。

 

はなしそれてシマッッタ。

試しに悪口にしやすそうな話をいくつかしたら見事に部活のある次の日には廊下で餌にされていた。

塾の帰り道に空気読めない幼馴染が「部活の時にはんまの話してるでしょ」みたいなことを言った。

後日同じ塾の唯一の女の子が泣きながら謝ってきた。

ドライな人間なので泣きながら言われてもなぜ相手が泣いてて自分があっけらかんとしていなきゃいけないのか心底納得が行かなかったけど、気にしてないよ〜もう変な内通はよしてね〜とか言った。

いい機会なのでその子になんで私と接点がない吹部の子が嫌がらせしてくるのか知ってる?って尋ねたら聞いてきてくれて「Tちゃんの友達だから当たり前だって言ってた」と言うので恐怖した。

友達だったら共闘しますというスタンスなのか、友達だからって一言でかたされているのが理解できなくてその時から何でもはじめは第三者目線で物事は見ようと決意した。聞いた情報だけが全てじゃないでしょうよって。

それでも嫌がらせに賛同するってことはきっとその仲間たちにも私に対して少しは気に入らない部分があったからだろうと思って自分を見直すいい機会だった。

ちなみにそのあとも何度も内通してて面白かった。

 

約半年くらいずっとTちゃんの友達数名は嫌がらせ?を続けてきたけれど、全部無反応で通ってたら(裏では怖いよーって友達に相談もしてた)だんだん落ち着いていった。他の人たちには一切波紋が広がらなかったのが本当に救いだ。

 

中学三年生になった時にホラーな出来事が起きた。

完全に嫌がらせも静まった頃、クラスの体育祭の旗に絵を描く文化があって龍を描いてくれっていうんで私と、仲良しの1人はちゃめちゃに絵の上手い子で描くことになった(ほとんど任せた)。他の子達も放課後残ってハチマキ作ったりとかしてた時に突然「今までごめん」ってクラスの吹奏楽部の子2人に謝られた。

わけがわからなすぎて「え、なんかしたっけ」ときいたら今までTちゃんにはんまは意地悪でやばいやつみたいに言われてたから避けてたのって言われて、(あ、あんまり気づいてなかった!!^^)とは言えず「全然大丈夫だよwww」と答えた。鈍感かな?

 

「嫌がらせ受けてたでしょ?でももういまや途中から入ってきたくせに生意気すぎるよねってTちゃんいじめられてるから!!安心して!!」という言葉を聞いた瞬間鼻水が出た。

 

そういうことではない。

 

なによりTちゃんがいじめられることなんて別に望んでいないんだが?(オタク)

 

混乱した。

次の日自分の目で確認した。””Tちゃんの友達だから””という理由で私になんやかんやしてた子達がTちゃんに対してなんやかんやしてるのだ。

Tちゃんの友達だから仲間で守るためにやってるとまで言ってたのになんなんだマジで。

要約すると二年生から入ってきて下手なのに威張ってるのムカつかない?と言い出した子がいたらしくその事態になったらしい。

 

小学生の頃からなぜかずっと私のことを好いてくれる子がいて、その子がいつも今日あった嫌なこととか聞いてくれてた。家も近くて毎日漫画の話もして、クラスは違ったけど一緒に帰った。待ち合わせには必ず遅刻してくるのでさすがに5回目くらいからブチギレてたけど仲良くしてた。勉強もできる方では無いので「受験やばない?」って言ったら「あたしが一番わかってる」ってひらきなおってたのでもはやここまでくるとTちゃんと大差ないように思うが去年まで一番遊んでいたくらいの存在になった。むこうからしたら私は「拷問に耐え続けるマゾ野郎」とかって馬鹿にされていた可能性がある。嫌だな。

 

何が違うのか。自分は都合のいい人間だ。

 

もう三年生になる頃には学校が楽しすぎることと塾のアマゾネスが怖いことで頭がいっぱいでTちゃんに対して興味すらなくなってしまっていたけどやるせない気持ちだった。

Tちゃんではなく、Tちゃんの友達だからと嫌がらせしていた人等に圧倒的に腹が立った。

他人の嫌な面ばかり見てしまって、言葉をうまく伝えられなかったがためにこんな結末になったのかと思ったら少し悲しかった。

嫌がらせが始まった時はそれこそ交通事故にでもあってくれって思うくらい憎しみもあった。

仲良くしていたのはきっちりしなさい生活に対して、何でもいいんじゃな〜い?とゆるく受け止めてくれる彼女のおおらかさが心地よかったからだろうに。

嫉妬していたかもしれない。

点数と順位に縛り付けられて疲れている私と、どんなにひどい点数をとってもポジティブでどっしり構えている彼女だ。なんだか楽に見えた。

他人に干渉することが今でも億劫で、仲良くなりすぎないよう当たり障りない人付き合いの仕方をしていると思う。

三者視点でいるってことは第三者なのであって関係ない人。介入できない。ダメなところはダメと言い合えるくらいの人たちとじゃないと社会人以降の付き合いには繋がらないとは思うんですけれどもね…

 

結局中学卒業するまで一度喧嘩してから一言も交わさなかったしもちろん今まで連絡も取っていない。もう一度なかよくできますか?って言われたら多分無理だ。

あれだけ長い時間親友だと思っていた相手もさっぱりと流してしまう自分は人間としてどうなのかとずっと嫌な気持ちだったけれど、逃げたのだ。そう割り切れば良い気がしてきた。

 

人生でなんども逃げてきた。

その証拠に試験形式の入試を受けたことがない。

今後もきっと楽で美味しい道ばかり探して遠回りしていそう。

 

 

読んでるとやっぱり彼女が悪者になってません?

5000字超えてて思わずキモって呟いちゃった。

 

おとといの夜ご飯は思い出せないのに小さい頃の記憶ってやたら鮮明に覚えていたりするよね。

 

 

生徒さんが帰った後にボソッと言った

「自分のことのように心配してくれる友達がいるなんて幸せなことなのに友達は気づいてないんだろうなあ」

という先生の言葉、

 

うむ。